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「大久保大和なるものが、こちらへ急行中とのこと!」
「大久保大和ぉ?知らんな」
そうあしらったのは板垣退助。
昨日聞いたのは近藤勇平という人物だった。
いったいどうなっているのだ。
左手で髭をさわりながら思案する。
「どうされますか板垣さん!」
「んー…。とりあえず、5人をその大久保?の元へ向かわせよう」
彼ら土佐軍は既に甲府城に入っていた。
先刻に聞いていたある男の甲州への動きを察して危険を感じ、場内へ出撃したのだ。
それに圧された旧幕府軍は持ちこたえられず、城を明け渡してしまった。
そんなことなど夢にも思っていない新撰組一行。
「本当に料理が苦手な方だったんですね。正直ちょっと、吐きそうです…」
美海が甲州への道中でそう呟いた。【脫髮先兆】造成頭髮稀疏5大原因 & 生髮方法推薦! -
「私も…」
沖田も口元へ手を伸ばす。
実は先ほどツネの料理を口にした所だ。
「そうかなぁ?久々に食べると益々腕を上げたような…」
近藤一人だけがこう言っている。
あんたの味覚が可笑しいよ。そりゃ。
誰もがそう思うのであった。
板垣を悩ませた『大久保大和』や『近藤勇平』は全て新撰組局長近藤である。
近藤は自分達が新撰組だということを明かさずに偽名を使って数々の関所を上手く抜けてきた。
最も、これは土方の案なのだが、今回は主としては土佐との戦いになるだろうということで、新撰組ということは伏せてある。
何せ、京で一番斬ったのは土佐人だ。
相手に恨みを抱かれているということは言わずとも知れていることだ。
おそらく、土佐にこの団体が『新撰組』だと知れると、ただではすまないだろう。
ただ、あっちに着けば戦うだけ。
大丈夫。先に幕軍が城を占拠している。
有理なのは自分達だ。
そんな気持ちもあった。
「え…そんな…」
だがそれは一気に崩れ去る。
戦地のすぐ側の山の村に宿営することになったのだが、甲州の状況を聞いて唖然とした。
「城が…開城してるって…」
土佐が既に甲府城を陣取ったことが伝わったのだ。
流石にこれには驚きを隠せない。
全ての行動が早すぎる。
昨日までと違い、その場は一気に緊迫感へとみまわれた。
更に土佐軍も洋式隊だという。
鳥羽・伏見の戦い。
あの人数差にも関わらず、圧倒的戦力の差を見せつけられた。
あの時の悪夢が蘇る。
元々いた新撰組の隊士は腹を決めていたため良かったが、江戸で募兵した隊士にはざわめきが起こった。
まずいな…。
土方は顔をしかめた。
「近藤さん。ちょっと」
「なんだ?」
土方は近藤を人目の付かない所まで連れて行った。
「近藤さん。今から俺は神奈川まで行ってくる」
「神奈川!?もう夜中だぞ!?」
「あぁ。だが、認めたくねぇが戦局はあっちに傾いている。今夜にでも行かねば」
──負ける。
土方は口をつぐんだ。
流石にここまでこれば強がりは言ってられない。
明日にはここを出る。
となれば、すぐに戦場には着く。
きっと良くない方向に向かう。
それまでに、神奈川に駐屯している幕軍約1600人に援兵を頼むしかない。
「……わかった」
近藤はそれだけ言った。
「近藤さん。あんたは焦らないでいい。落ち着いて過ごすんだ。あんたが少しでも焦りを見せてみろ。
この戦、負けるぞ」
近藤は頷いた。
“負けるぞ”
土方の珍しく弱気な言葉が胸に刺さる。
「俺が帰るまで、それまででいいんだ。どうにか耐えてくれ」
「わかった」
「桂ぁ!坂本ぉぉお!」
後ろで見廻り隊が叫んでいる。
坂本と桂は器用に屋根の上を走って消えていった。
「坂本龍馬ぁぁぁ!?」
美海が突如叫んだため、周りはとてもビクついている。
うそ!あの坂本龍馬!?
どっかで見たって思ったら…教科書じゃん!
凄い…。
これは…【脫髮先兆】造成頭髮稀疏5大原因 & 生髮方法推薦! -
「追っかけなきゃ」
美海は周りの怪我人もかなり気になったが、それよりもどうしても坂本龍馬が気になったため、その場を走り出した。
場所はわからないが、足と勘には自信がある。
「ハァ…ハァ……疲れた……」
坂本と桂は町外れの小道に着いていた。
「もうここまではこないだろう…」
「桂はあいっかわらず強いぜよ」
「お前に言われたくないな。しかし坂本。なんでお前がここに?」
桂は不思議そうな顔をする。
「実はなぁ。今大阪の薩摩藩邸で西郷殿にお世話になっとるき♪」
「薩摩ぁ!?と言うか西郷!?なんでまた…」
桂は変装しながら喋っていたが、その手をふと止める。
桂は長州藩で禁門の変以来、薩摩と長州は犬猿の中だ。
ちなみに坂本は土佐藩の脱藩浪人だ。
「勝先生に紹介されたきに」
「勝!?勝海舟かぁ!?お前何しているんだ?二年前、勝を暗殺しに行くと言っていなかったか?」
「気が変わったんじゃ。会ってみたらいい人やき!ナイスガイぜよ!」
二年前、1862年。坂本は勝を暗殺しようと面会したが、勝に諭され、弟子になったのだ。
その翌年の1863年には海軍塾の塾頭を務めている。
「お前の行動は昔からいつも読めん」
桂は眉間に手を当てている。
桂と坂本は昔同じ学問所にいた。知り合いと言うより、友人だ。
ちなみに桂は神道無念流免許皆伝、坂本は北辰一刀流免許皆伝とどちらもかなりの腕前の剣豪だ。
「高杉に銃を貰ったのだろう?どうだ。使い勝手は」
「最高ぜよ!一度持ったらこれはもう離せないぜよ!」
「そうか」
「で。なんでここに来たかと言うとじゃなぁ。桂に大事な話があるんぜよ。直ぐに会えてよかった」
桂は顔は割れてるけど京都にずっと潜伏してると聞いてたからなぁ。
「大事な話?」
桂は変装が終わったようだ。別人である。伊達に『逃げの小五郎』という異名があるわけではない。
「そう。すんごい大切な話ぜよ。ここじゃ話せることじゃないきに。いつものとこで話すぜよ」
坂本はチラチラと周りを気にする。
「わかった。では行くか」
バタバタバタバタ…
「………足音が聞こえないか……?」
桂が後ろをチラリと見る。
「ん?」
坂本も目を凝らす。
バタバタバタバタ…!
次第に遠くから来た姿が見える。
バタバタバタ!
「あれって…」
「あぁ…。嗅ぎ付けられたか…」
「あのー――!待ってくださー――――い!」
走ってきた者は大声を上げる。
「立花美海か?初めて本物みたきに!」
追いかけているのは美海だ。近隣の人々に情報を聞きながら、更に人間の足で短時間で走れる距離を割り出してとうとう見つけたのだ。
「いいから逃げろ!」
桂は坂本を引っ張って走る。
「え!?なんで逃げるんですかぁ!?」
美海は先程よりもスピードを上げる。
「ぅお!?あいつ早いぜよ!」
坂本は目を輝かせる。
「もしかしたらあいつは俺を狙っているのかも知れん!二手に別れよう!」
目の前は分かれ道だ。
「おう!後でな!」
坂本は頭の上でピースをしている。
その間にも美海との距離は縮まる一方だ。
流石美海。本当に早い早い。ぐんぐんと走る。
「…しゅ、出立の…ご挨拶ではないかと」
歯切れ悪く答えた。
「されど、父上様と共に上洛なされる母上様はともかく、お祖母様は城に残られるのであろう?」
「…それは」
「そなた、昨夜 母上様の座所へ呼ばれたのであろう? 何か申されていなかったのですか?」
お菜津は「えっ」となり、目を白黒させながら、気まずそうに視線を膝の上に落とした。にもな訳知り顔のお菜津に、胡蝶はしげな表情を向けていると
「──胡蝶、入りますよ」
入側の横から黒い影が伸び、開け放たれた御居間の入口の前に、濃姫と報春院が姿を現した。
お菜津はサッと脇に退いて、深々と平伏する。【脫髮先兆】造成頭髮稀疏5大原因 & 生髮方法推薦! -
胡蝶はすぐに笑顔を作って
「母上様、お祖母様、ようおで下さいました。ご一緒におしとは実にお珍しい」
と挨拶を述べるや否や、濃姫と報春院は速やかに入室して
「──閉めよ」
お菜津や、従えてきた古沍に命じて、開け放たれていた戸襖や障子を、全て閉じさせた。
急なことに胡蝶は一驚する。
薄暗くなった部屋の中で、胡蝶がおろおろと母や祖母の姿を見つめていると
「胡蝶、そちらへ控えよ」
濃姫はチラと部屋の上座に目をやった。
胡蝶は戸惑いながらも「…はい」とづくと、言われた通り上座に控え直し、
濃姫と報春院は、黙ってその御前に膝を折った。
鉛のように冷たく重苦しい空気が、数秒、対座する三人の間に流れた。
胡蝶は上目遣いになりながら、両者の顔を交互に眺めていると
「胡蝶──」
ふいに濃姫が口火を切った。
胡蝶は反射的に背筋を伸ばし「…はい」と、軽く頷いた。
「そなたに、大事な話があって参りました」
「大事な話…?」
「今から申すことは、私と、齋に古沍。そして、お菜津のみが知っている話じゃ」
濃姫は背後の障子に映る、お菜津の影をして言った。
「上様にもお伝えしていない、我らのみが知っていること故、決して他言せぬように」
「父上様も知らぬこと……。いったい、どのようなお話にございますか?」
胡蝶がくと、報春院は神妙な面持ちになって
「そなたには、か受け入れ難い話やも知れぬ故、覚悟してお聞きなされ」
と、どこか言いめるような語調で告げた。
胡蝶は眉間に皺を刻むと、静かに濃姫の方へ顔を向ける。
「…いったい…、どのような?」
濃姫は報春院と顔を見合わせると、深くひと息、意を決したように告げた。
「胡蝶。そなたにはこれより───」
四つ半刻(午前11時頃)。
織田信長は、上洛及び、中国戦線へくべく安土城を発った。
『 戦陣の用意をして待機。命令があり次第出陣せよ 』
との信長の命令があった為、城は本丸の御留守居衆と、二の丸の御番衆に任され、
信長本人は、森兄弟を始めとする御小姓たち二、三十名を従えただけの出立であった。
蘭丸が胡蝶に話したように、実に身軽な出発となった訳だが、
小姓衆の周囲には警固の武士たちも従っており、それらを含めると行列は百名近かった。
そんな行列の中程に、濃姫を乗せた輿が密やかに存在した。
信長の正室にふさわしい
「先程のお話しの通り、信光様が上手く事を運んで下されば、こちらも多くの手勢を失うことなく清洲の城を奪う事が叶いまする」
「ん─」
「しかしながら気にかかるのは、坂井殿がどれ程のご信頼の上で、信光殿に此度の話を持ちかけられたのかという点です」
「と言うと?」
「これまで信光様が殿のお味方となってきた事実は、清洲の方々とてよう存じておられましょう。
とすれば、坂井殿が信光様を誘うた旨を殿に密告する可能性がある事くらい、容易に考え付いたはず」
「それは…そうよのう」【脫髮先兆】造成頭髮稀疏5大原因 & 生髮方法推薦! -
「今のまま、信光様が清洲の側に付いた振りを致したとしても、完全にその警戒を解くことは出来ますまい。
油断した隙を突くというのであれば、決して裏切りには及ばぬという、もっと確かな証立てを致さねばなりませぬ」
「具体的に言うと、どのような事をすれば良いと?」
信長に問われ、濃姫は暫し考えを巡らせると
「私ならば、いつものように父上様から賜りましたこの刀を差し出すところですが──」
と微笑って帯の間に挿してある短刀に触れた後
「なれど信光様でしたら、そうでございますね、…ご自身そのものを差し出してみるというのは如何にございましょう?」
夫の顔色を伺いながら、濃姫は閃くままに一案を提示した。
信長は思わず眉を八の字にし、小首を傾げる。
「意味がよう分からぬ。 叔父上そのものとはどういう意味だ? 命を差し出せという事か?」
「いえ、何もそこまでは…。言葉足らずで申し訳ございませぬ。私はただ、信光様のご決意や忠誠心を清洲の方々に示してみてはと思うただけです」
「益々意味が分からぬ。もっと分かりやすく申せ」
「ですから、清洲を決して裏切りは致さぬという、二心のない旨を書き綴った書面を坂井殿にお送り申すのでございます」
「つまりそちは、叔父上に起請文(きしょうもん)を書けと、そう申しておるのか?」
「左様にございます。我が父・道三ならば、それくらいの事は致しまする」
姫の発言を聞き、信長は難しい顔をして今一度考え込んだ。
しかし“それも一理ある”と思ったのか、彼はものの数秒で「うむ」と重々しげに首肯すると
「相分かった。一先ずその旨は叔父上に申し上げてみよう」
姫の一案に前向きな姿勢を見せた。
「なれど、偽りの起請文か……。左様な物を実の叔父に書かせて、神仏の怒りを買わねば良いがのう」
「まぁ、神仏を恐れる殿ではございますまい」
浅く息を吐(つ)く信長に、濃姫は朗らかな微笑を向けるのだった。
『 万事、大膳殿の望む通りに── 』
この言葉と共に、信光が起請文を坂井大膳の元へ書き送ったのは、年号が「弘治」へと改まる翌天文二十四年(1555)。
信長二十二歳、濃姫は二十一歳となる、その年の春のことであった。
信長との計画通り、二心のない旨を誓約書という形で示した信光は、同年四月十九日に清洲城の南の櫓(やぐら)へと入った。
大膳の信頼を得、また信長と通じている事実を悟られていない事を確信した信光は
『 愚かな小守護代めが。鳥の巣の中に、黒蛇の卵が紛れ込んだことにも気付かぬとは… 』
一方 報春院を送り出した濃姫は、居間の上座で茶を啜りながら、煩悶(はんもん)の表情を浮かべていた。
茶を一口啜っては溜め息を吐き、また一口啜っては溜め息を吐く。
そんな動作を繰り返す濃姫を、三保野が傍らから不安気な面持ちで見守っている。
「…あの、姫様」
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「畏れながら、先程の大方様との一件をお気に病んでおられるのでしたら、どうぞお忘れなさいませ。
姫様の申された通り、ご嫡男であられる信長様が、織田家の家督を継がれるのが世の道理なのですから」
三保野が気遣いがちに言うと、濃姫は軽く微笑んで首を振った。
「そうではない。確かに義母上様に殿の事をご理解していただけなかったのは残念じゃが、気に病んではおらぬ」
「では、先程からいったい何を悩んでおられるのです?」
「殿の事じゃ」
「信長様…?」
「殿が何故にあのような愚行に及んだのか、考えても考えても、その理由が分からぬのじゃ」
「大殿様のご葬儀の折のことを申されているのですね?」
「ええ…。義母上様にはああ申したが、私も未だに、殿のお振る舞いの意図が掴みきれていないのです。
あの殿のこと故、あれほどの大胆な行動の裏には、何かしらのお考えがあるような気はするのじゃが」
濃姫は湯呑みを一旦下に置き、より深く考えを巡らせてみた。
例えば、信長はあえて一同の前でうつけのような振る舞いをする事で、敵方を油断させようと企らんだのかもしれない。
または、此度の信秀逝去の報を受けて『尾張を奪い取る絶好の機会』と考える邪な者共が、
故人を悼むはずの葬儀の場に平然と顔を出している有り様を見て“茶番”だと思ったのか。
はたまた単純に、慕っていた父の死を受け止め切れず、悲しみをあのような形でぶつけたのか…。
理由は色々と思い付くのだが、どうにも“これ”というものが見付からない。
濃姫は脇息に肩肘を乗せ、悩ましげな表情で頬杖をついた。
「──失礼致します」
するとそこへ、濃姫付きの侍女が居間のとっつきに現れて
「お方様、急ぎお出迎えを。殿のお成りにございます」
と平伏の姿勢で申し伝えた。
「ま、殿が?」
濃姫が思わず聞き返すと
「濃…!邪魔をするぞ!」
荒々しい足音を響かせながら、信長が居間の中に入って来た。
濃姫は素早く上座の脇に退くと、打掛の裾を背に広げ、恭しく三つ指をついた。
「これは殿…本日はまた突然のお越しで」
「儂の突然はいつもの事じゃ。今更珍しくもあるまい」
そう言いながら、信長は上座へと進み、金欄縁取りの茵の上に腰を落とした。
「お濃、本日はそなたに頼みがあって参った」
「私に?」
「ああ。実はそちの持っている…」
言いかける信長の目に、部屋の隅に控えている三保野の姿が映る。
「悪いがお濃と二人きりで話がある、そちは下がっておれ」
「…は、はい」
三保野は慌てて一礼を垂れると、命じられるがまま部屋を辞した。
「まぁ、いったい何なのです? 人がいては話せぬような頼み事なのですか?」
「いや、別にそういう訳ではないのだが──。 そなた、今もあれを持っておるか?」
「あれ、と仰いますと」