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「中岡さんに妬いてるんですね桂さん。
ですがよく考えてください,三津さんは男に不慣れです。あれだけ顔を寄せられたら照れるのは当然でしょ。
それにさっきのは断るのは失礼だと,桂さんの顔に泥を塗らない為に喜んでと言ったんですよ?
それなのに妬いて三津さん困らせないでくださいよ。」
事情を察して三津を庇ったのは入江だった。
入江にそう言われて桂は口を横一文字に結んだ。【脫髮治療】拆解最新技術 - ARTAS植髮手術過程! -
「あの,私がどんな顔で中岡さん見てたかちょっと分からないんですけど……。でも私小五郎さんから離れないですよ?気持ちも離れてないですよ?」
眉尻を垂れ下げた三津は無表情になってしまった桂の顔を覗き込んだ。
それを聞いた入江は喉を鳴らして笑った。
「藩邸内で見せつけるのやめてくれません?」
そう言われて三津の顔が赤くなる。そんなつもりじゃなかった。桂の不安や嫉妬心を取り除きたいだけだったのに。
「こんなに赤くなっちゃって。桂さんに恋する乙女の顔ですね。」
更に茶化してくる入江に三津は動揺しまくった挙句,
「しっ……私情持ち込んでごめんなさいぃぃっ!」
全速力で逃げた。廊下を駆け抜け姿が見えなくなってから入江は声を上げて笑った。
「九一,あんまり三津をからかわないでくれ。
でも……お陰で可愛いところ見れたよ。」
あんなに全力で逃げなくていいのにと三津が走り去った方を見て笑った。
「何言ってるんですか桂さんは。三津さんは常に可愛いでしょ。傍に置いてると分かんなくなっちゃうんですねぇ。」
入江はちょっとばかりの嫌味を込めた。その嫌味に一瞬目を見開いた桂だったがすぐに目元は涼しげに笑った。
それから何も言わずに踵を返した。
『分かってるさ。九一に言われなくとも分かってる。』
分かってる。それなのに,喧嘩して気付いたばかりなのに,どうしても多くを求めてしまう。
傍に居てくれるだけでいいと思っていたのに。
もっと。もっと。
自分の欲求を満たしてくれと多くを求めてしまう。
『……私は何をしてるんだ。』
自分好みに染め上げようと必死過ぎて,少しでも思い描いたモノと違うと征服欲が働いて全てを支配しようとしている。
冷静さを欠いてる己を恥じる他ない。
少し距離が必要か。
己を見つめ直す時間が必要だと感じた。
『今まではこんなに掻き乱される事などなかったのになぁ。』
それだけ今までの女は適当に扱ってたんだなと今更気付く。酷い男だと自嘲した。
今はどうだ?
さっきも嫉妬に駆られた衝動で脅すような真似をしてしまった。
三津の体が少しだけ震えていたのを思い出す。
『これじゃどっかの鬼と変わらないな……。』
上手くいかないもどかしさから後頭部を掻きむしった。
やる事も一段落させて三津を部屋に迎えに行った。
いつものように帰ろうかと声をかけたのに三津の顔は引き攣った笑みを浮かべていた。
『あぁ……帰ったら酷い目に遭うと思ってるんだろうな……。』
昼間にしてしまった事を後悔して桂の顔も引き攣った。
いつも通り程よい距離を保って家路を辿る。
お互いに何か話そうと思っていたが一言も話す事のないまま家に着いた。
「少しだけ……呑もうかな。」
「はい!すぐに一本浸けますね。」
やっと会話が出来た。三津はいそいそと台所へ行って燗を用意した。
それを持って居間に行くと桂は胡座をかき頬杖をついて難しい顔をしていた。
「……皺。」
三津は正面に座ると人差し指で眉間を押した。
「今日の小五郎さん変です。私のせい……ですよね。」
ごめんなさいと弱々しく笑って頬を掻いた。
桂は首を横に振ってそれを否定した。
「三津は悪くないよ。私が未熟だからこうなった。」
「小五郎さんが未熟なら私はどうなるんですか。」
三津はくすくす笑いながらお酒を注いだ。それからお疲れなんですよと言い聞かせた。悩みの種が多すぎるんだ。